「第27回日本慢性期医療学会」に参加して
金上病院 メディカルクラーク主任
庄司洋子
12月3・4日に大阪国際会議場で開催された「第27回日本慢性期医療学会」へ参加して来ました。今回のテーマは「令和の時代の慢性期医療~スキルとエビデンスの融合を目指して~」でした。平成は医療の質を高める時代であり令和は今まで培ったスキルや経験を元に高齢者医療のエビデンスを生み出し構築していく時代になっていきます。2025年、団塊の世代は75歳以上の後期高齢者となり、その後は人口減少が進み2040年には団塊ジュニアと言われる世代も高齢者になります。それに伴い「医療サービスの担い手の減少」、「医療ニーズの変化」という課題に直面します。厚生労働省はこうした課題の対応に「地域医療構想」、「医療従事者の働き方改革」の取り組みを進めています。慢性期医療は継続的な治療とリハビリを行い在宅復帰、社会復帰を目指します。慢性期医療の役割りは時代の変化と共に拡大しつつあり、今後、超高齢化社会となる日本ではあらゆる疾病の患者さんに対応し高度急性期医療以外の全てを担う存在として今後ますます慢性期医療の重要性は高まっていきます。私は今回「看取り」や「チーム医療」などの演題を重点的に学んできました。ACP(アドバンスケアプランニング)は作成するタイミングや声がけも大切という事が分かりました。またデータによれば住み慣れた自宅で最期を迎えたいという希望は全体の7割程あっても実際は1割程度しか行われていない事も分かりました。在宅支援をする上で本人・家族のケアや地域との連携、医療・介護の連携は不可欠であり、チーム医療で多職種との連携を進めていく為リーダーシップの存在も重要となってきます。沢山の演題の中にはすぐに活用できそうなものもあり、早速現場へ持ち帰り進めていきたいと思います。
参加者
安藤正夫理事長、萩生田善之事務部長、杉原悦子看護部長、長谷川香緒里看護師長、庄司洋子MC担当主任、青木孝司介護福祉士、佐藤崇光作業療法士