確かに楽です経鼻内視鏡
2017/05/01
みなさんご存じのように、日本における死亡原因の第1位はがんなどの悪性新生物です。
2番目が心疾患、3番目が肺炎、次いで脳血管疾患、老衰と続きます。
今回は主として胃がんの話ですが、食事・衛生環境の是正や検診効果などもあって、胃がんは 減少傾向にあります。ヘリコバクターピロリ菌が胃がんの発生に深くかかわっていることが明らかとなっていますが、年齢が若ければ若いほど、このピロリ菌に感染している人の割合は激減してきています。また、最近はピロリ菌を死滅させる除菌療法(3種類のお薬を 1週間内服してもらう)も盛んに行われるようになりました。したがって日本人の胃がんは今後更に少なくなっていくことでしょう。
とはいえ現在、日本人のがん罹患数のトップは胃がんです。つまりがんの中では、胃がんにかかる人が最も多いということです。 次が大腸がん、そして肺がんの順です。
死亡数をみてみますと、多い順に肺・大腸・胃(男性は肺・胃・大腸。女性は大腸・肺・胃)となります。
つまり、減少傾向とはいえ、胃がんはまだまだとてもポピュラーで、多くのひとの命を奪っているのです。しかし 早期に見つければ、ほとんどは命を救うことが可能であり、その多くは今、内視鏡で治療できます。
早い時期の胃がんを見つけるには内視鏡検査が力を発揮するわけですが、どうしても咽頭反射が強かったりすると、とても辛い検査になることがあります。そのような方にとって経鼻内視鏡は驚くほど楽に検査を受けられるとして、多くの患者さんに受け入れられてきました。一方、画質がよくない、などのデメリットもありました。しかし最近は機器も進歩し、随分改善されています。
通常の経口内視鏡検査が あまり辛くなかった方は、無理に経鼻を選択する必要はないと考えます。しかし、経口がとても辛くてたまらなかった、という方は、ぜひ一度相談してみてください。