気管支喘息について

2018/10/01
秋から冬にかけての季節の変わり目は呼吸器にも不調が出やすい時期です。

気管支喘息について風邪をきっかけに気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD、いわゆるタバコ病)の発作が出たり、肺炎になったりと呼吸器の患者さんが増えます。気管支喘息は患者さんの訴えや症状から総合的に診断しますが、夜間・早朝に咳や息切れなどの症状が出る、冷気や煙の刺激で咳を生じやすい、何らかのアレルギーがある、これらに当てはまる場合はより気管支喘息らしいと言えます。

また息がヒューヒュー、ゼイゼイするといった喘鳴(ぜんめい)がなく、咳のみの症状で風邪の続きのような方もいらっしゃるかもしれません。実はそのまま放置すると気管支喘息へ移行する咳喘息(せきぜんそく)の可能性があります。風邪だと思っていた咳が3週間以上続く場合は医療機関の受診をおすすめします。

気管支喘息の原因は様々ありますが気道の慢性炎症であることは確かです。炎症により徐々に気道が狭くなっていきます。こうした変化は症状がない時にも進行しているため、 発作時のみの治療では不十分です。炎症を吸入ステロイドで抑えながら発作のない生活を送ることが治療の目標になります。ステロイドの副作用を気にされる方もいらっしゃるか もしれませんが、含有量が少なく肺に直接作用する吸入薬は全く問題にならない程度ですから安心してください。

多くの方は吸入薬にあまり馴染みがないことでしょう。薬が内蔵されたポケットサイズの器具を直接くわえて吸い込むだけです。実物を手に取りながら薬局の薬剤師さんにじっくり教えてもらうことを強くおすすめします。使い始めだけでなく、その後も使い方が合っているか時々ぜひ確認してもらって下さい。ここ数年で気管支喘息の吸入薬は種類が増えました。ご自分に合った吸入薬で発作のない快適な生活を目指しましょう。